「NipponノMURA」 創刊号の発行~ムラの中に日本の原点が隠されている

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「時満ちて 道ひらく」

九州の北に位置する宗像市の宗像大社のキャッチフレーズだ。なかなか意味深な言葉である。

この宗像の特集を創刊号として、「NipponノMURA」が立ち上がった。編集長は養父信夫さん。この「NipponノMURA」は「ムラの命をマチの暮らしに、マチの力をムラの生業に」の理念を掲げた地域おこし雑誌といえる「九州のムラ」を引き継ぎ、一般社団法人九州のムラから創刊された新たなソーシャルマガジンといえるものだ。養父さんは自然の豊かさ、人の温かさを大切にしてきた日本人の心と知恵を守り、育てていこうとするまちづくり、むらづくりに関わってきた。今も全国のまちに飛び回って、地域づくりの挑戦を行っている。

この「NipponノMURA」の編集方針は独特だ。コマーシャリズムとは一線を画す。

一. 忘れてしまいそうなニッポンの昔のことをきちんと(過不足なく)伝えること。

一. 自然の摂理の中で生業を続ける人々の珠玉の言葉を紡ぐこと。

一. 市井の人たち(宮本常一先生曰くの”常民(地域に暮らし普通の人々)”)を丁寧に取材すること、その言葉を大切にすること。

一. ムラの根っこををしっかりと取材すること。

一. 昔のムラ暮らしや思想を掘り起こすこと。また、それらを今様に解釈し、社会に対して提案をすること。

一. 毎回が創刊号であり、最終号という気持ちで制作。

表面的な名物を特集するだけの地域紹介誌とは随分と異なる。自分の関わったまちやむらをぜひとも特集してもらいたい、と思う雑誌だ。

養父さんの原点は宗像。養父さんは「今の活動の原点は、ここ宗像の地で生まれ育ったことだと思っています。亡き父の仕事が神官でしたので、幼少期は大島で過ごし、それから大社のお膝元の田島で過ごしました。この幼少期に歴史に育まれた宗像の森、川、海の自然との触れ合い、体験が今の活動に繋がっています。」と書いています。誰にとっても生まれ育った故郷は原点といえるもの。

宗像は元祖国際都市と言われるだけあって、中国大陸や朝鮮半島からの文化交流の香りが残っている。歴史と文化と海のまちだ。それだけに宗像の掘り起こしは面白いし、深さがある。

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群はユネスコ世界文化遺産の推薦が昨年決定した。ユネスコ世界文化遺産に登録される日も近いだろう。自然を崇拝し、自然と共に生きるというアミニズムの原点がある。日本の心がある。

というようなことを考えさせてくれる雑誌が「NipponノMURA」といえる。しかし、発行部数はわずかに3000部。デジタル雑誌にするなどして多くの人に読んでもらいたい。日本政府も地域の再生には力を入れている。薄っぺらい取り組みだけではなく、こうした本格的な取り組みの積み重ねが重要だ。こうしたまちづくり、むらづくりの本格的な雑誌の創刊は嬉しいことだ。日本の農漁村は高齢化も進み、文化を維持するのも大変だ。なくなっていく村もある。いずれなくなりそうな村はたくさんある。日本の地域の価値を掘りおこし、そこから今の時代に合う新たな展開を見出すことが求められている。「NipponノMURA」に期待が寄せられている。

「NipponノMURA」に関する情報は http://9mura.net/nippon から得ることができる。

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