名古屋・伝統文化体験都市構想

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 名古屋は戦災で焼け野原になり合理的な発想で復興を果たした。100メートル道路など都市機能としては画期的なものがあった。戦後は「白い街」と呼ばれた。これは急速に復興する中で白いコンクリート建築物が多かったためだ。合理的で、商業・産業には向いているが風情のない街という印象になってしまった。「女性自身」(2016年10月6日)は名古屋は「行きたくない都市」のダントツ1位と報じた。現在、名古屋城改修の動きもある。箱モノだけではダメだ。さらにソフト的な対応が必要である。私は日本伝統文化体験都市構想を提案する。

 名古屋は歴史と文化の町である。戦国時代の三英傑ゆかりの町であり、日本文化が発展する上で重要な役割を果たしてきた。江戸時代には、尾張徳川家の歴代藩主が積極的に芸能を奨励し、”芸どころ”名古屋と呼ばれた。まさに日本伝統文化は名古屋での活動なくしては語れない状態だ。特に徳川光友・徳川宗春・徳川斉荘は、現代に繋がる名古屋の文化に大きな影響を与えている。

 江戸と京都、大阪を結ぶ交通の要所として繁栄し、江戸、京都、大阪の文化とも交流しながら独自の文化形成も行ってきた。「尾張名古屋は城でもつ」とうたわれた名古屋城を持ち、豊かな文化と歴史を育んできた町といえる。

 茶道、香道、狂言、日本舞踊、都々逸なども有名で文化、伝統の宝庫である。この素晴らしい歴史と文化を活かして、伝統文化体験都市としてまちづくりと行うのがこの伝統文化体験都市構想だ。

伝統文化体験都市の発想

  • 体験型観光都市

 まず、日本の伝統文化を常時体験できる場所は日本の中でもあまりない、ということを認識したい。茶道一つとっても、茶道のうんちくを伺いながら、体験できる場は非常に少ない。様々な日本の伝統文化をあちこちで体験できる町となるなら、外国人の観光客のみならず、日本の若者、高齢者ともに、非常に魅力ある場所となる。見る観光から、体験する観光へと変化している。この流れの中で、多くのメニューを揃える新たなタイプの文化都市を目指す。

  • 日本の誇り・精神文化の発信

 日本は、大震災を経験した。こうした時期こそ、日本・日本人のアイデンティティが問われている。日本の伝統文化と精神文化にもう一度注目し、名古屋から日本の誇りを発信することは大きな意味を持つだろう。名古屋城の復元と合わせて、日本の誇り・精神文化を世界に伝える役割を担いたい。

体験内容案

A)茶道体験

 茶道のような一般的な伝統文化でさえ、常時学ぶことができる場所は限られている。それができる場所を作っていく。名古屋の茶道流派は松尾流がよく知られるがそれだけでなく様々な流派が学べる形を作る。

B)華道体験

 華道も日本を代表する伝統文化の一つだ。様々な流派があるが、それらが常時学べる場所を作る。作品は名古屋城や市の公的施設でも飾っていきたい。

C)香道

香道では志野流が名古屋を中心に全国200か所に教場を開設し、香道の総本山となっている。現在は、ボストンにも教場があり、国際的展開もある。この香道も体験できるようにしたい。

D)日本舞踊

 1841年、西川仁蔵が名古屋に移り、初代西川鯉三郎を名乗り「名古屋西川流」を創流した。名古屋をどりがよく知られている。西川流を中心として日本舞踊も体験ができるようにしたい。

E)都々逸

熱田の宮の宿の仲居が歌い始めたのが始まりといわれる。最近はなじみが薄いがこの伝統を受け継ぐためにも常時、学べる場所を作る。

F)忍者体験

 一説では徳川家も忍者を活用したと言われる。忍者の体験学習の要素を強めることが考えられる。川上伊賀忍者博物館名誉館長などとも連携し、本格的な忍者訓練塾の創設も視野に入れる。資格制などを導入すると、本当に世界からも学びにやってくると期待される。

G)俳句体験

 俳句を詠む機会と場所を常時提供できるようにする。俳句の指導や添削ができる人が常駐し、素人でも詠めるような環境を作る。また国際俳句の視点から、英語など多言語でも詠むことができるようにする。ちなみに松尾芭蕉は現在の名古屋テレビ塔付近で地元の俳人らとともに連句の会を行い、句集「冬の日」をまとめたといわれる。芭蕉ゆかりの町でもある。

H)陶芸体験

 名古屋近郊には瀬戸焼きや常滑焼きなどが有名だ。そうした地域と連携して、陶芸が体験できる仕組みを作る。観光客が楽しく、体験できるように工夫する。さらに本格的に学びたい場合には瀬戸市や常滑市と連携していく。

I)食文化体験

 食文化という点でもいろいろな仕掛けが考えられる。味噌や日本酒、漬物などの発酵ものは伝統的な食だ。愛知県はまさにこうした発酵食品の豊富な地域だ。「作る」「味わう」の両方からのアプローチをしたい。また精進料理や武家の食なども味わえる場所の提供も面白い。

 このほかに、盆栽、木工芸、竹細工、着物、書道、水墨画、能楽など、様々な展開が考えられる。それらを名古屋に結集させ、名古屋に来たら、日本伝統文化の多くが学べるという状況を作る。

 名古屋の伝統工芸品として、有松・鳴海絞り、名古屋友禅、名古屋黒紋付染、名古屋桐箪笥、名古屋仏壇、尾張七宝、名古屋扇子、名古屋提灯、名古屋節句人形などがある。これらの業界とも連携して、体験や紹介の機会を作っていく。 

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