海外での鉄道ビジネスは将来の経済成長の起爆剤

2015-01-05 12.13.16-17
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2015-01-05 12.13.16-17 

 海外での日本企業による鉄道ビジネスが活気づいてきました。インドでの高速鉄道の受注は今後の展開に大きなプラスになっています。インド西部の主要都市ムンバイと北西部の都市アーメダバード間、約500キロにおける高速鉄道敷設を日本の新幹線システムを活用して整備することが決まっています。日本の鉄道技術は世界的にも最高水準と言われても、これを輸出することはまだまだ限定的です。2007年に台湾新幹線を受注してからの2件目の案件です。フランス、スペインなどヨーロッパの国々と中国との競争になっています。今後、インド、アメリカ、インドネシア、タイ、ブラジル、アフリカ諸国、中東諸国などで大きな成長が見込めます。

20世紀はまぎれもなく車時代でした。車時代が終わるわけではありませんが、人口が多くなれば限界があります。大量公共輸送機関がどうしても必要になります。鉄道⇒車という感覚でしたが、鉄道⇒車⇒鉄道という新たな流れが出てきています。

車の限界はなんといっても渋滞です。世界的に産業構造が農業から工業・商業へと移り、人口集中型社会ができています。大都市はますます大都市化していっています。インドはまだ人口が増え続けている国でもあり、車が増えれば、渋滞はひどい状態になっています。朝・夕のラッシュアワーでは車は動かない状態です。ブラジルの渋滞も凄まじい。4月11日付けMEGABRAZILはサンパウロの記録的な渋滞を報道しています。交通工学公社によると、4月8日18時、サンパウロ市内で総距離にして289キロの渋滞が確認されたといいます。2004年に記録を取り始めて以来、歴代最悪の渋滞は2014年5月23日19時の344キロだといいます。

人口が増えたり、1家に2台、3台の車の保有となれば、状況はさらに悪化します。車では解決されません。また車の増加は大気汚染の問題やCO2排出の問題を引き起こします。鉄道は、輸送機関としてはエネルギー効率がよく、こうした問題の解消に役立ちます。つまりこれから発展する国にとっては、鉄道の整備は不可欠なものになるのです。

鉄道ビジネスは作るときだけでなく、長期にわたっての整備点検のビジネスも入ります。車両のリニューアルに関しても最初に受注した企業がまた受ける可能性も高くなります。また日本が持っているダイヤシステムや清掃などのソフトの部分も提供できます。総合的なビジネスが展開できる可能性があります。

新幹線などの高速鉄道だけでなく、地下鉄も重要なビジネスチャンスです。インド・デリーを走る地下鉄デリー・メトロには日本からのODA供与があり、日本の建設技術も投入されています。ODAの提供だけでなく、ビジネスとしてこれから展開していくことが必要です。インドの交通渋滞の解消には、主要都市を結ぶ高速鉄道と大都市での地下鉄の展開が求められます。

東芝はこれからインドで鉄道車両向け電気品を生産していきます。価格を抑えることが求められるので、現地生産も目指していくようです。インドは成長する国です。ここでの成功は、中東などでの展開に繋がります。

住友商事、三菱重工業、日立製作所はタイ国鉄からバンコク市の都市鉄道工事を受注しています。タイも車社会の限界に近づいている国です。

鉄道は1トンの荷物を1キロ運ぶ際に排出される二酸化炭素量でみると、車の輸送の約8分の1とされます。鉄道がさらに必要とされるのは間違いありません。ヨーロッパ、中国との競争に勝てるのか。ソフトも含めた総合的なサービス提供が鍵となりそうです。

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